コロナ禍の2021年に東京オリンピックが開催されたが、私にとってオリンピックといえばリオデジャネイロオリンピックだ。
オリンピックの話題が出るたびに、ブラジルでの思い出が蘇る。
世界一周旅行の計画を立てたとき、ブラジルでオリンピックを観戦することを第一優先にした。
日本人はブラジルに入国する際、ビザが必要なのだが、オリンピック期間中はビザが免除されるのも大きかった。
私はリオオリンピックでサッカー、陸上競技、卓球の試合を観戦した。
ネイマール、ウサインボルト、卓球の福原愛、水谷準のプレーを生で見るために高いチケット代を支払ったが、本当に行って良かったと思う。
マナウスでのサッカー観戦
なかでも一番印象に残ったのは、マナウスで観戦したサッカー日本代表の試合である。マナウスはブラジル北西部に位置する街で、アマゾンの玄関口となっている。
私は宿泊している宿で2人の日本人の大学生と出会った。彼らも私と同じく世界中を旅していて、マナウスにはアマゾン川ツアーとサッカーの試合を楽しむためにきたと言っていた。
その後別の場所で3人の日本人と新たに出会い、合計6人で試合を見に行くことになった。
今までにわかサッカーファンが騒いでいるのが見てて嫌いだった
サッカー日本代表の試合では、ちょんまげや侍のコスプレをした人たちをよく見かける。
正直私は彼らに対して嫌悪感を持っていた。なぜなら彼らはサッカーのことは大して知らないくせに、ただ騒ぎたいだけのミーハーな奴らだと思っていたからだ。
私は普段サッカーの試合を観るときは、席に座って友人とあーでもないこーでもないと戦術論などをいいながら観戦している。
なので今回のオリンピックの試合でも、席に座って大人しく観戦するつもりだった。
パリピな日本人5人と行動を共にした
しかし一緒に行動をとることになった日本人たちは目立ちたいがために、街中でコスプレグッズを買い出しに出かけた。正直私は乗り気ではなかった。ふざけた格好をしてはしゃぐ性格でもないし、いつものように座って試合が見たいだけなのだ。
しかし私以外の5人はノリ気で、私も何かしらの恰好をしなければならず、私は顔にペイントをすることになった。
そうしてちょんまげ、ふんどし、はっぴ、サッカーボール、アフロヘアをつけた人たちとスタジアムへ向かうことになった。
こんな格好をした集団をみれば、もちろん周りの人たちは放っておかない。スタジアムにつく前から撮影大会が始まった。
私も彼らと同行していたので、現地のテレビ局のインタビューや、日本のマスコミからのインタビューを受けた。
今まで数多くのスタジアムで観戦してきたが、こんな経験をするのは初めてだった。
スタジアムに着く前に合計30人くらいは一緒に写真を撮っただろうか。経験すればわかると思うが、相手から笑顔で写真を撮ってくれとお願いされると、簡単には断れない。
カメラに向かって笑顔でポーズするのも、ずっと続けたらヘトヘトになる。
まるで有名人のような気分になったが、同時に有名人は大変だなぁ、有名にはなりたくないなと痛感した。
私の購入した席は指定席だったが、日本人サポーターが集まる場所へ行き、最前列で応援することになった。
私の隣にいるのは、いつも一緒に観戦しに行く友人ではなく、歌舞伎のペイントをした日本人と、日本のユニフォームを着たブラジル人女性だ。
ここまでくると私にも羞恥心がなくなっていた。
試合がはじまると、応援歌を歌い、選手のプレーに一喜一憂し、ゴールが決まれば周りの人とハイタッチをしていた。正直試合の内容はよく覚えていない。ただひたすら周りの人達の触れ合いが強烈に思い出として残っている。
まとめ
オリンピックは平和の祭典と言われるが、確かに「祭り」であることを身をもって感じた。
同じ日本人というだけで行動を共にし、対戦相手の国のサポーター、現地の人達とも盛り上がる。こんなことはJリーグの試合では起きない。
日本の反対側にあるブラジルに行くだけでもなかなかのことだが、そこで出会った人たちと、お祭りに参加した経験は一生の思い出となった。
顔にペイントをしたり、サポーター席で騒いだりしないような私を誘ってくれた日本人の方たちに感謝したい。彼らと出会わなければここまで強烈な思い出は作れなかっただろう。
人生一回きりなんだし、楽しんだもの勝ちだと思う。
この記事を書いている2022年5月には、カタールワールドカップへ行くために試合のチケットを申し込んだ。
チケットが当選するかどうかわからないが、サッカーファンとしては死ぬまでに一回はワールドカップを現地で観戦して、一生の思い出を作りたい。
人生で一番大事なのは、いかに楽しい思い出をたくさん作るかだと学んだ。