過酷なバス移動
南米での移動には長距離バスが欠かせません。飛行機で時間を短縮することもできますが、できるだけ陸路で安く移動したかったのと、南米大陸の広さを実感したかったので、私は頻繁にバスを利用しました。
バス移動でいちばん辛かった国がチリです。
まずボリビアの国境からチリに入国し、バスに乗り換えたのですが、砂漠の中でバスが動けなくなってしまうトラブルが発生しました。
乗客たちがバスを押して前に進めようとしますが、タイヤがパンクしてしまっているため、うまく進みません。
1時間半寒空の下で救助の様子を見守りました。
最後は別のバスに乗り換えて街に着いたのですが、こんなトラブルを経験するとは思わなかったし、日本の交通機関の優秀さを再確認しました。
そしてサンペドロ・デ・アタカマから首都のサンティアゴに向かうため、24時間のバス移動をしました。
これが人生最長のバス移動です。
しかしまたここでトラブルが発生します。バスが23時間走り、ようやくサンティアゴに着くというところで、バスが停車してしまいました。
外を見てみると、預け荷物が外に出され、他の乗客たちは外で何かを待っている様子です。
やはりというべきか、またバスが故障してしまいました。
2016年にルマン24時間レースに参戦したトヨタも23時間以上走ったところでマシンがストップしてしまったが、それを思い出させるようなトラブルに見舞われました。
代わりのバスが来るまで寒いなか待っていましたが、乗員たちは悪びれた様子もなく、乗客も怒っている人は1人もいませんでした。
いくら南米の先進国チリといえど、バスの故障はよくあることなのでしょうか・・・。
結局25時間かけてようやく首都のサンティエゴに到着です。これでしばらく長距離バスは乗りたくない気分になりました。
アンデス山脈を望む、近代的な街サンティアゴ
チリの首都サンティアゴはアンデス山脈に囲まれた人口550万人超の街で、街並みも先進国の大都会と比べても遜色ありません。
アンデス山脈と高層ビルのコントラストがなんとも美しい場所です。
歴史的な建築物と近代的なビルがうまく融合している街並みがとても魅力的です。ペルー、ボリビアという南米の中では貧しい国を旅してきたあとなので、都会にやってきた田舎者のように感動しました。
チリと言えばサーモンが有名ですよね。市場へいけば新鮮なサーモンを手軽な値段で食べることができます。
チーズがかかっているサーモンは初めて見ました。
しょうゆとわさびをつけて食べると、日本に戻ってきたような感覚があります。
日本人なら絶対食べて起きたいグルメですね。
チリ国立競技場のスタジアムツアーに参加
地下鉄でスタジアムへと向かう
チリと言えば、私が応援している鹿島アントラーズとも関係があります。2012年にスルガ銀行カップが日本で開催され、サンティエゴのクラブである「ウニベルシダ・デ・チリ」というチームと対戦したことがあります。
その「ウニベルシダ・デ・チリ」と、チリ代表チームの本拠地としているスタジアムが、「エスタディオ・ナシオナル・デ・チリ」です。
日本の国立競技場のような、チリサッカー界の聖地となっている場所です。
ホテルのスタッフに聞いてみたら、スタジアムツアーは特に行っていないというので、外観だけ見て帰ろうと思い地下鉄に乗ってスタジアムへ向かいました。地下鉄の料金は660チリペソ(約100円)。
地下鉄Estadio National駅を下車すると、何故かスタジアムに人が集まっていました。
しかし試合がある雰囲気ではないし、疑問に思いつつ入口へと向かいます。
どうやらチリ代表に関する見学ツアーを開催しているようでした。
2016年に南米王者を決める大会(コパ・アメリカ)でチリが優勝したのは知っていましたが、それを記念してスタジアム見学ができるようになっていたようです。
もちろん自分も入場券を購入してスタジアム内に入りました。料金は6900チリペソ(約1030円)です。
スタジアム内にある博物館
中に入ると、歴代のユニフォームやトロフィー、選手の写真が展示されています。
チリの選手は当時アーセナルにいたアレクシス・サンチェスしか知らなかったので、誰が誰だかよくわかりません。
サッカーゲームをやらなくなってから海外の選手を知る機会を失ってしまいましたね。
2010年南アフリカワールドカップに使われたボールも展示されていました。
ロッカールーム
新しくできた日本の国立競技場には、こういった日本サッカーの歴史を展示するミュージアムは存在するんでしょうか?
ロッカールームはひとでごった返している状態です。
今まで行ったスタジアムツアーの中でも一番人が多かったです。やはり南米チャンピオンになった影響も大きいですね。
国立競技場のピッチ
ロッカールームを見学したあと、ピッチに降り立ちました。
メインスタンドからアンデス山脈の景色をみることができます。
これは屋根をつけなくて正解ですね。青空の下に真っ赤なスタンドと緑のピッチのコントラストが美しいです。
一層式のスタンド、メインスタンドだけにかかる屋根など、日本の旧国立競技場とそっくりです。
鹿島のタオルマフラーを広げて記念撮影。
ピッチの最前列ではトークイベントも開催していました。途中でトロフィーが運ばれてきたのですが、これが南米選手権を優勝した際に獲得したカップなのでしょうか?
詳しくはよくわからなかったが、ツアーも満喫できたのでスタジアムを後にしました。
(訪問日:2016/7/16)