訪問日 2016年12月1日~8日
2023年10月7日、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃が起こり、現在も多数の死傷者を出す事態となっています。
もともとイスラエルとパレスチナは領土問題を巡り長い間衝突してきましたが、今回はウクライナとロシアの戦争が起きているなか勃発しました。
イスラエルとパレスチナの問題の詳細は下記を参照ください。
私は2016年12月にイスラエルおよびパレスチナ自治区(ヨルダン川西岸)を訪れていたので、そのときの様子を現地の写真とともに振り返ろうと思います。
「国全体が軍隊」といった印象のイスラエル
イスラエルはもともとイスラム教国家であった地域に、半ば強引にユダヤ教としての国を作った場所です。
イスラム教国家に囲まれている場所であるため、いつ攻め込まれてもおかしくはない状況です。
そんなこともあってか、イスラエルでは男女ともに18歳になると男女ともに徴兵されます。(男性は3年・女性は2年)
徴兵制がある国は珍しくありませんが、女性も兵役が義務付けられているのはイスラエルならではといったところでしょうか。
とにかく若い男女が軍服を着て、マシンガンを肩に掛けた格好でショッピングモールで買い物していたり、子どもと一緒に遊んでいる姿が衝撃でした。
イスラエルは人口1000万人しかおらず、面積も日本の四国程度。そのため国民にも戦闘能力を付けなければいけないのでしょう。
19~21歳という遊びたい年頃を兵役で過ごすのは大変なはず。
「イスラエルには絶対に産まれたくないな」というのが正直な感想です。
「自由を奪われている」といった印象のパレスチナ自治区
ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区には、エルサレムからバスに乗って向かいました。
パレスチナ自治区には、キリスト教の聖誕教会のあるベツレヘムと、イスラエルとの対立が起きているヘブロンへ訪れました。
イスラエルからパレスチナに来ると、ヨーロッパの先進国から中東の貧しい国へ着たような印象を受けました。文字、物価、売られている食材など、なにもかもが違います。
ベツレヘムは大勢の人が賑わっており、街中では食品から雑貨までさまざまなものが売られ、人々は貧しいながらも元気に暮らしている印象がありました。
ベツレヘムの街を歩いていると、タクシーのおじさんに話しかけられ、ヘブロンを案内してやるとの勧誘を受けました。
しかし、ヘブロンはイスラエルとの対立がある場所で、外務省の渡航情報では渡航中止勧告が出ている「危険度レベル3」です。
安全面に不安があったものの、タクシー運転手いわく大丈夫とのことらしく、自分1人ではないとの観点から行くことを決意。
ヘブロンはベツレヘムと違い、活気が全くありませんでした。イスラエル住民が2階に住んでいるため、投石落下防止のネットが張られていました。
国が領土を拡大しようとするとき、そこに自国民を住まわせるのが有効な手段とされています。日本でも離島に住む家族には補助金が出たりしているのですが、陣取り合戦の最前線を見れたのは初めてです。
もちろんこんな場所でまともな生活をするのは難しく、ゴーストタウンとなってしまった場所もありました。
イスラエルがパレスチナ自治区との国境に建てた分離壁。高さは約8メートルもあり、パレスチナ側の壁には戦争反対を訴えるメッセージの壁画がありました。
パレスチナからイスラエルへ戻るバスでは、途中でイスラエル兵士による検問がありました。私は外国人であるためパスポートを見せて終りましたが、パレスチナ住民はバスの外に降りてカバンの中身を見せなければいけません。
イスラエルからパレスチナに来るときはなにもなかったため、パレスチナの人達はかなり自由がないという印象をもちました。
両方訪れて抱いた感想は、「パレスチナの人達かわいそう」
パレスチナの人達はもともと住んでいた場所にイスラエルという国家を作られ、武力により移動の自由もなくなりました。パレスチナ人はパスポートも持たないため、一生この場所から移動することができません。
周辺のイスラム国家も援助はしていますが、テロリストもパレスチナには多いため、おいそれと移民として受け入れるのも難しい状況です。「絶望」がテロリストを生み出しているため、なんとか彼らが豊かになれる手段があればいいんですけどね…。
【まとめ】行きたい場所があるなら行けるうちに行っとこう
今回はイスラエルとパレスチナ自治区へ訪れた時の様子を紹介しました。
2023年10月7日に発生したハマスによる大規模攻撃により、イスラエルから退避せざるを得なくなった日本人も多いでしょう。もちろん、現在イスラエルに観光へいくのは大変危険です。
5年前に訪れたウクライナで戦争が起こったのに続き、8年前に訪れたイスラエルでも戦争が発生しました。
海外旅行は円安&物価高の影響で渡航が厳しくなっていますが、戦争が起きている地域ではどれだけお金に余裕があっても意味がありません。
今回の紛争でも改めて認識したのは、「行きたい場所には行けるうちにさっさと行くべき」ということ。
「いつか行きたい」なんて思っていたら、そのうち行けなくなってしまいます。
「行きたい時が行き時」と考えて、どんどんやりたいことを前倒しにしていくのがおすすめです。